タケノコ戦争

今年もタケノコ戦争が勃発しました。宣戦布告はいつもタケノコの側からです。

春になって、「冬もそろそろ終わって、ほんとに過ごしやすい季節になったな~」なんて平和な気持ちになっていると、庭の片隅にある竹やぶに、タケノコは最初、何本か顔を出します。

「2~3本、出てるな」なんて思っていると、1~2日もするとあっちこっちからタケノコはニョキニョキ出現し、歩きにくい斜面や、草の茂ったその奥など所かまわず顔を出し、油断してるとぐんぐん伸びて、見る見る成長していきます。

放っておくと、庭の中まで攻めて来て、気がつくと1メートル近くまで伸びていて、皮のはがれた根元のほうはうっすら緑色に色づいて、もうすでに立派な竹の風格をそなえた姿にさえなってやがります。私はクワをかついで竹やぶに入り、かたっぱしから掘り起こしにかかるというわけです。

タケノコ戦争の始まりです。

掘っては食い、掘っては近所に配り、それでも間に合わず、伸びすぎたものはキックして折り、そりゃあもう汗だくで、にもかかわらずタケノコの勢いは弱まることを知りません。ちょっと気持ちが折れそうになることもありますが、タケノコ戦争に「負けるが勝ち」なんてのはありません。

負ければ竹やぶは密生する竹だらけ、庭も竹やぶになり、やがては家も竹に持ち上げられ、私は伸びた竹に押し上げられた家に住む、ツリーハウスならぬバンブーハウスの住人となり果てることでしょう。

「竹って風情があるわよね~」なんて、のんきにのたまうやからには、一度このタケノコ戦争に参戦してみることをお薦めします。

(驚異の双子)