マツダ ” クイックスペシャル油絵具 ”

油絵具というのは、塗ってから乾くのに時間がかかるというのが、一番の問題点といいますか、色によって違いはありますが、1週間以上かかるのはザラで、その間は描き加えなどができないので大変です。

ところが、日本の絵具メーカー、マツダのクイックスペシャルという油絵具は、速乾性で、実に画期的です。

以前、東京にいたころ、ある画材屋の人が、「クイックスペシャルは便利ですけど発色はいまいちですね」なんて言ってたのを覚えてますが、その店員は実際に使ってみて言ってるのではないなと思いましたね。

私は、そのころすでにクイックスペシャルを使ってましたが、他のどの油絵具にくらべても、決して発色が劣るなんてことは感じたことがなく、本場フランスのルフラン社などの絵具と較べても見劣りしない、素晴らしいものだというのを知ってましたからね。

たぶんあの店員は、従来の油絵具にはない速乾性、イコール、何かを犠牲にしてる、たぶん発色はあまり良くない、と想像して、さも知ってる風に、あんなことを言ってたんだと思いますね。

ところがどっこい、クイックスペシャルは、1日もあれば乾いてしまうというスグレモノの上に、どこの絵具にも引けをとらない高品質だということを、私は実感してましたからね。

なので、私の描くすべての油絵(30歳代以降)は、このクイックスペシャルを使って描いてますね。

” 印象に残る季節 ”

ほんの半年くらい前は「寒い寒い」て言ってたんですよね。

それが、あっという間に、もう「暑い暑い」言ってるわけですよ。ホントにここのとこ急速に時間が凝縮されてきてるような感がありますよね。

時間の流れが速くなってるんですかね?そもそも、時間の流れっていうのは何なんですかね?

空間のここからあそこに移動するのに時間がかかるということは、時間は空間の属性なんですかね。

空間の広がりがなきゃ、ここからあそこに移動するなんてこともないワケでしょうから、そうなると時間はない、てなことになるんでしょうか。

時間が速く過ぎ去るように感じるのは、空間自体が煮詰まってきてて、そのあおりで時間もアッという間に過ぎるようになっているんでしょうか?

まあ、それはともかく、まだ寒かったとき、この曲のこと紹介しようと思ってたんですね。それが、時間が過ぎるのが速いものだから、タイミング失って、もう寒くない今日このころですが、このまま紹介しないのもなんなので、書きますが、冬の曲です。

斉藤和義さんの ” 印象に残る季節 ”という曲です。

いい曲です。「印象に残る季節は何故かいつも冬」で始まり、川の傍らのベンチであなたに触れたこと、そしてそれを「誰かに話せば壊れてしまいそうな、誰かに話さなきゃ夢に見てるよう」に消えてしまいそうな…。

冬の夜のまぼろしのような歌詞がいいですね。

聴いていると少しは涼しくなるかも知れません。

( ” 印象に残る季節 ”の入ったアルバム)

” エクスポージャー ”

ロバート・フリップのアルバム 、”エクスポージャー ”を買ったのは、たしかまだ東京に住んで間もない20歳のころだったと思います。

中央線の阿佐ヶ谷駅北口から歩いて3分くらい、家賃3万円、風呂なし、トイレ共同のアパートに住み、そこから新宿よりに3つ行った東中野にある土木設計事務所で職を得て、しばらくたったころ、キング・クリムゾンの残り香を求めて、レコードを探していたときに見つけたのが、” エクスポージャー ”でした。

都会的で、硬質な印象といいますか、私が心の底で求めていたキング・クリムゾンの音楽とはまるで別ものでしたが、まあ、そのころはそれなりに納得してましたね。

アルバムの中の曲、” Here  comes  the  flood ”(洪水がやって来た)は、美しい曲です。

「夜が姿をあらわし ラジオがシグナルをとらえはじめる すべての奇妙なニュースは 最初の警告として 通り過ぎる」~「主よ 洪水がやって来ます 我らの肉と血に別れを告げるときが来ます もし、また海が、生きる者のうちで静まることがあるのなら それはきっと生き残るために陸をあきらめた者にでしょう…」

そのころは英語の歌詞の意味はわかってませんでしたけど、どこか終末的な、文明が滅びる前に咲く花のごとき美しさと、ふしぎな静けさを秘めた名曲です。

作ったのはロバート・フリップでなく、ピーター・ガブリエルという人らしいですけどね。

最近、聴いてみると、阿佐ヶ谷の昭和な商店街と、アルバムジャケットに写っている、長髪から短髪になったロバート・フリップのソリッドなスーツ姿と、木造アパートの流し台の排水口でうず巻く水と、世界の終末を告げる大洪水と、月10万円ちょっとの給料の日常と、アルバムの中のエクスポージャーな音空間がないまぜになって想い出され、あれからずいぶん長く遠く、いろんなものが過ぎ去ったんだなあ、という気がしてきます。

(LPアルバムジャケット)

芸人さんを応援しますね

私には会社経営というのはできないですね。そういうセンスはまるでないです。

1人で仕事やってても、自分を持て余してるときもあるくらいで、それなのに人をまとめて会社を運営するなんて、想像することすらできないですね。

そんな私が言うのもなんですが、今回、闇営業問題を起こした芸人さんを抱える会社側の対応は、あれじゃあダメなんじゃないですかね。

特に社長のあり方としては、「社員の不祥事は私の不祥事」として、矢おもてに立って、その芸人をささえて社長も一緒におわびをするというのが、本来の姿なんじゃないですかね。

それを、トカゲの尻尾切りみたいに、一方的に解雇通告を出して保身をはかるなんてのは、心ある人間のやることじゃないと、私は思いますね。

芸人さんの方にも落ち度はあったにしろ、人を殺したり、落とし入れたりしたわけではないですからね。

昨日(20日)の2人の記者会見は立派でしたよ。よくやったと思います。

私はお笑いはあんまり詳しくないですが、そして、私ごときが言ってもなんにもならないですけど、それでも気持ちの上だけでもね、私は、宮迫君、田村君を応援しますね。(7月21日現在)

パセリ、セージ、ローズマリー、and タイム

サイモンとガーファンクルの曲 ” スカボロフェア ”の歌詞にならって、庭にローズマリーとタイムを植えてます。

パセリとセージは植えてませんが、そのうち植えてみようかなと思ってます。

「Are  you  going  to  Scaborough  Fair  ?」、「スカボロフェアに行くのかい?」。曲の中で、この問いかけに旅人はただ「パセリ、セージ、ローズマリー、アンド タイム」と答えるだけです。

問いかけた者は「そこに住んでいる、かつての恋人に伝えてほしい」と伝言します。「縫い目のないシャツを作って」、「海と海岸の間に広い土地を見つけて」、「革の鎌(かま)で刈り取りをして」と。そうすれば「再びあなたに真の愛を捧げます」…。

どれも、とても出来そうにないことばかりですよね。

ネットを見てたら、それは、この依頼者がもはやこの世の者でなく、旅人がその問いかけに答えると、その者と交流することになり、危険なので何も答えず、彼はおまじないの言葉「パセリ、セージ、ローズマリー、アンド タイム」を唱(とな)えるばかりなのだ、と書いてありました。

なるほどね。

それらのハーブは魔除けの象徴なんですね。

だから私も、庭にローズマリーとタイムを植えて、結界としてそれを世話し育てて、ささやかな魔除けとしているのですよね。

パセリ、セージも、いつかね。きっと植えてみようと思ってます。

(手前がタイム、奥がローズマリー)

画材の買い出し

先日、画材を買いに津山市に行きました。

モノクロの線画描くのはPMパッドという用紙が使いやすくて、それがそろそろなくなりかけて、他にも絵筆だのマーカーだの、いろいろ買いに行ったんですが、そんなときについでにいつでも寄るのが、ケンタッキー・フライド・チキンです。

うちの近くにはないので、津山市内に出かける機会には必ず寄りますね。月に1回、行くかどうかですからね。

だいたい朝10時くらいに出て、車で20分ちょっとで画材店に着いて、買い物しながら店の人と「梅雨ですね~、蒸し暑いですよね~」なんて無駄話しして、「買い忘れたものないかな…」なんて、レジの女の子に、「家に着いたころに限って、買い忘れたもの思い出すんだよね~」てなことを言って、「ああ、そうです、そうです、私もよくあります」と、女の子も話しを合わせてくれてね。

それから、ケンタッキーに寄るわけです。

「今日はもう、3ピースくらい食っちゃおうか」なんて考えもよぎるのですが、まあ、そこは抑(おさ)えて、2ピースとポテトとコーラのセットで、ほど良い時間の昼食となるわけです。

そんなこんなで家に帰り着いて、仕事部屋で買ったものを確認していると、「あっ!、メンディングテープ買うの忘れてるじゃん!!」となって、なんだかな~、まさにあの時、レジの女の子に冗談っぽく言ってた通りになってしまった…「あ~あ、これからは買うもの、ちゃんとメモっとこ」と、いつも後になって同じこと反省するという、まあ、そんなことのあった1日でした。

ユーグレナ

さっきラジオでユーグレナの宣伝やってましたね。

ユーグレナとはミドリムシのことで、それに含まれる59種もの栄養素を顆粒状にしたサプリです。

ムシと付いてますが、虫じゃなくて、ワカメやコンブの仲間で、植物と動物両方の栄養素を持つ微生物というスグレモノです。

出雲さんという東大文学部の学生が、バングラデシュに行ったときの体験から、世界の飢餓をなくしたいと思い立ち、農学部に移り、そこで出会った1年後輩の鈴木さんというミドリムシオタクの人と会社を作り、研究を始めたということらしいです。

当時は大量の培養はむずかしかったのが、特別な培養液を開発し、量産化を達成。2年間で500社に売り込みをするも、すべて断られ、設立した会社が「明日は倒産かも」というとき、「もうあと1日だけ営業してみよう」とがんばった501社目に、伊藤忠商事が興味を持ってくれて製品化、現在に至っているということらしいです。

出雲さんはあるとき、自分がミドリムシになった夢を見て、「まわりに光が降って来て、ああ、光合成をするって、こういうことか」と思ったそうで、「ミドリムシになるくらいミドリムシのことを考えているのは自分しかいない」と、以前テレビで語ってるのを聞いた覚えがあります。

まさに天職ですね。

商品の売り上げの一部は、貧困な国の子供たちへの食糧支援に充てられているらしいですよ。

” シェリーに首ったけ ”

50~60年代の洋楽ポップスのかおりといいますか、懐かしの大瀧詠一サウンドのかおりといいますか、ちょっとノスタルジックで甘い気分にさせてくれる、そんな一曲が ”ウワノソラ ”の ”シェリーに首ったけ ”ですね。

このグループ、他にもいい曲がありますが、” シェリーに~ ”は、私のようなオジサンにはもうピンポイントで、「若かったころ、アイビールックでキメて、彼女を誘ってジェームス・ディーンの主演映画 “エデンの東 ”観に行ったよな~」的な思い出がよみがえる、そんないい曲です。

まあ、もちろん私の学生時代なんて、岡山のド田舎で、アイビールックでキメるどころか、中学は丸刈り、高校もツメエリの学生服で、洋楽ポップスなかおりなんて、まるでしなかったですけど、「あのときは、オヤジのコルベットをこっそり借りて、彼女乗せて海まで走ったよな~」チックな妄想の平行宇宙での仮想体験を、あたかも現実のものであったかのように想起する、そんな虚妄癖な私にトキメキを与えてくれる素敵なメロディーです。

YouTubeのMVでは、そんなカンどころをちゃんと押さえていて、ボーカルのいえもとめぐみ嬢が、アナログ時代のアイドル風な振り付けのダンスで踊りながら、裏返り気味のハイトーンボイスで歌っているという、オジサンにとりまして、じつに二重マルの気分の映像が見られます。(注*ウワノソラの曲は、本来はうつろで、たゆたうイメージのものが主流のようです。)

油絵の作成

たまに時間ができて、油絵具を取り出して、だいぶ前に下絵を転写しておいたキャンバスに絵具を塗っていて、深夜遅く、もう疲れた~となり、筆を置こうとしたときなんか、「いや、もうちょっと進めようか」なんて思いもありながら、「でも明日は、朝からかからなきゃならないイラストの仕事があることだし、これ以上やると、定時に起きられないかも」なんて考えて、別に出勤してるわけじゃないので、起床の定時なんてないのだけど、それでも朝、「昨日、遅かったから」なんて言いわけしてズルズル眠っていると、なんだか自分がどんどん自堕落になっていくような気がして落ち込むのはわかっているので、「そんなことになるのなら、今夜はもう寝よう」と、筆を洗って作業を切り上げるわけですが、これがもし仮に今日、この日が人生最後の1日だったらなんて考えると、「今日は疲れたから」とか「明日起きられないから」なんて心配する必要はもうないのだから、「動ける限り、私はこのまま絵を描き続けていればいいのだ」となり、そんな極限の状態であればこその、意図を超えた傑作が、見事に描き上がりましたとなるのではないか、なんてことを思ったりもするのですが、まあ今晩はそんな究極の1日であるワケでもないのだし、あ~疲れた、もう寝よう寝よう、ということで、トイレに行き、歯を磨いて、着替えして、フトンに入って寝たのでありました。

(雑然とした油絵具)

” 恋人たちの水平線 ”

これはもっとヒットしても良かったんじゃないかな、というような曲はいろいろありますけど、1993年ころ活躍してた女優さん、裕木奈江という人のアルバム ”水の精 ”の中の曲、” 恋人たちの水平線 ”というのは、まさにそんな一曲であると、私は思いますね。

総合プロデュースが松本隆さん、作曲、編曲に細野晴臣さん、矢野顕子さんなどを配したこのアルバム、なかなかの力の入(はい)りようだと思うんですけど、大ヒットというわけにはいかなかったようですね。

ヒットする曲、ましてやアルバムを作るなんて、本当にむずかしいことなんだな、と思います。

「水平線が傾いてる 雨が斜めに降り注いでる あなたは銀のスプーンの上に 退屈を乗せ珈琲を飲む」なんてね、ちょっとアンニュイでニューエイジぽい曲調でね。

この曲の作曲、編曲は鈴木茂さんというギタリストですね。” はっぴいえんど ”というグループのギター担当されてた人らしいですけど、よい曲だと思いますね、今、聴いても。

「無色透明のインクがあれば 愛してるって書けるのに…あなたの胸へと耳を寄せても ゼンマイ仕掛けの錆(さ)びた音」なんてね。

潮騒(しおさい)と、鈍色(にびいろ)の入り混じった空の景色を見るような、浮遊感のあるメロディーが印象的です。

最近ではYouTubeにも上がってますね。