”栞(しおり)と紙魚子(しみこ)~”はマンガ界の奇才、諸星大二郎(もろほしだいじろう)先生が、少女向けホラー雑誌に不定期連載された奇妙でふしぎなマンガです。
東京の胃の頭(いのがしら)町に住む女子高生、本屋の娘、栞(しおり)と、古本屋の娘、紙魚子(しみこ)の、ちょっとホラーで怪奇でおかしな日常が描かれていて、私は好きですね。
これの単行本4巻目、”夜の魚”の中に出てくる”古本地獄屋敷”は、一種カフカ的世界が展開していて、目まいを覚えます。
ある日、紙魚子のお父さんが、アパートをえんえんと建て増した城のような屋敷に古本を買い取りに出かけたまま、行方不明になってしまいます。
栞と紙魚子が訪ねてみると、その中は古本が壁まで積み上げられた部屋や廊下が、迷路のように続いていて、無限とも思える本の中には、安い文庫本もあれば、まぼろしの稀覯本(きこうぼん)もあり、そこに棲(す)みついた古本マニアが何年も本を探し続けているという奇妙な場所で…。
その奥深くに足を踏み入れた2人は、この迷路の奇妙な仕組みの中で、古本の迷宮にとらわれてしまい…というストーリーで、神田神保町もびっくりの古本屋敷の幻想が展開していきます。はたして、行方不明のお父さんは見つけられるのでしょうか…。
(栞と紙魚子の模写)