シューマンの交響的練習曲(シンフォニック・エチュード)を聴くと、私が18か19歳かのころ、京都に住んでて、その当時あった滋賀の高島屋デパート(今もあるんですかね)で警備員のアルバイトをしてたときの情景が思い浮かびますね。
たぶん、そのころよく聴いてたんでしょうね。
デパートのあった最寄りの駅のホームで、徹夜勤務の明けた朝、通勤時間とはズレてるため、人影のまばらなその場所で、帰りの電車の来るのを待って、ボーと空を見てたという、その場面だけが妙に鮮明に思い出される、そんな記憶をともなったピアノ曲ですね。
そのバイトで貯めたお金で、東京に行くことになっていて、「東京に行ったら、どんな仕事することになるんだろうなあ~」なんて、なにか強い意志があったわけでもなく、ことの成り行きで東京に行くことになって、そのころは、まさか自分がイラストの仕事やるなんて考えたこともなかったですね。
常に日々生活するだけでいっぱいいっぱいでしたし、イラストレターなんて何をどうすればそんな仕事につけるようになるのか、当時の私には雲をつかむような感じでしたからね。
そんな自分が、こうして今までイラストの仕事やってきてるなんて、なんだか不思議な気もします。
シューマンはいいですね。交響的練習曲は一番好きなピアノ曲のひとつです。
「ひとつ」と言うのは、一番はほかにもあるからで、私の場合、音楽もそうですが、絵画でもその他でも、一番好きというのは常に複数存在してますね。まあ、こういうものは運動競技なんかとは違って、本来は一番とか二番とかって順位づけるものでもないんでしょうね。