大学生のころ大阪に住んでいて、中之島にあるロイヤルホテルの中の大阪録音スタジオというところでアルバイトをしてました。
ホテル内のホールでのコンサートのPA設備を運んだり、各種パーティ、結婚式場の音響設備のセッティング、挙式の録音、テープの編集など、なんでもこなして、忙しい時期には1日に2~3件の結婚式を担当したりして、大学の寮に帰りつくのは夜11時すぎというハードなものでした。
でも音響設備やオーディオにはもともと興味があったので、ホールで行われるミュージシャンのコンサートのときなどに使用するJBL(アメリカのスピーカーメーカーの老舗)や、アルテックのスピーカーを運んだり、普段は目にすることのないプロ用の器材をさわれたりするのは本当にワクワクする体験でした。
一般的にスピーカーとアンプをつなぐのは、プラスとマイナスの2本のコードですが、プロ用の場合、キャノンコネクターと呼ばれる特殊なジョイントでつなぐため、そんなキャノンコネクターのコードをまるめたのを肩にかけてホテルの楽屋ウラなどを忙しく走りまわっているときなど、「プロフェッショナルな自分」の姿にウットリしてましたね。
ある日、JBLのPA用スピーカーを組み立てるため、ホールまで単体の38センチウーハー(低音用スピーカー)を運んでると、録音スタジオの先輩から、「それ落とすなよ!もし落としたら、おまえの今月のバイト料なしやからな」と言われたときなど、自分の手にしているもののすごさが、あらためて実感されて、コワイようなうれしいような複雑な気分でしたね。
(そのころの勉強用ノート)